KANZOに聴け

内村鑑三翁が生きていたら何を考え何を語るのだろう…

嘘と不正を繰り返す人って‥

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アベ首相が20年8月下旬退陣を示唆した。本人の記者会見では持病の悪化が政治判断を過つので‥と言っていたが、主治医がいる慶応義塾大学病院の医師らは「虚偽だ、詐病だ」とコメントしているらしい。息を吐くように嘘をつく人間は、この期に至ってもなお嘘をつき続ける。こうなると誰だって「本当の辞任の原因は他にある」と考えるのが自然だ。この人の場合嘘つきが”病気”なのだろう。

さてかつてワタシは安倍晋三現首相(以下彼のことをAと略す)が書いたとされる『美しい国へ』を読んだことがある。改めて確かめてみると2006年初版なのでその頃だったようだ。1968年川端康成ノーベル賞を受賞した際の講演録が『美しい日本の私』(1969年)であったから、これの受け狙いもあってこの物欲しげな書名にしたに違いないと思いつつ、ワタシは立ち読みで済ました覚えがある。どうせゴーストに書かせたに違いないし、Aの自民党総裁選狙いに違いないと思いながら、立ったまま読み進めていくと、あまりのふわふわした幼稚な中身にうんざりとしながらも30分ほどで読了した。小中学生向きの出版物だったのかもしれない。

Aの本はゴーストに書かせたものだが、どうしてふわふわしていたのだろう。その理由は、ふわふわした美しくもない型通りの言葉の羅列と、言わんとしている事柄・事象が的確でなく粗雑だったからに違いない。それはここ数年のAの国会での言質でわかることだ。空無で何もないところからいくら装飾しても輝くダイヤモンドは生まれない。

その後近出版されたAに関する本では、(残念ながら読んではいないので正確ではないがFacebook等などによる内容紹介によると)Aは学歴コンプレックスが相当強く、旧帝大や有名私大出身の者が多い官僚や政治家に対する暗い敵愾心を秘めているとか、幼いころから虚言癖がひどかったとか、文字通りの強烈なマザコンであるとか、各種様々な〇〇コンプレックスの塊であるとか、読書は苦手で手紙も書かないとか、心を許せる友達がいないとか‥。アベ首相の在籍した成蹊大学政治学の担当教授は、必修の政治学の講義には一度も出席していなかったが彼は堂々と卒業した、裏口入学ということは聞いていたが、裏口卒業というのは彼が初めてで前にも後にも聞いたことがない、とか‥。

こう書いていてアベ首相はアメリカ大統領トランプの病的性格と酷似していると感じる。バンディ・リー編集の『ドナルド・トランプの危険な兆候』(2018)によると、トランプの病的性格(精神病質)に関して、アメリカの精神医学者・精神分析学者らは次のように分析している(疾患・症候名の要点のみ)。即ち、「他者への共感性の欠如」「自己反省の欠如」「嘘と不正を繰り返す」「現実の喪失」「激怒反応と衝動性」「刹那的快楽主義」「情緒発達の停止」「人格否定」「嘘つき」「パラノイア」「人種差別主義者」「自己肥大」「悪性ナルシシズム人格」「反社会性パーソナリティ障害」「責任感の欠如・他責者」「社会感情の欠如」「欺瞞に充ちている」「暴君」「社会病質」「DSM-5(※アメリカ精神医学会による精神障がいの診断と統計マニュアル)の反社会性パーソナリティ障害」「精神病質(サイコパス)」‥‥多くの執筆者たちが診断を下したトランプの精神病質に関する診断名はまだまだ登場するが、この辺にしておく。これらは同時にほとんどアベ首相にも該当するような気がする。ワタシに限らずこれを指摘する人も多い。

しかしながら(アメリカのトランプにも共通するのだが)なぜこのような人格的偏りの酷いAが党の総理総裁となり日本国首相であり続けたのか、なぜ若い層にだけAの主宰する内閣の支持率が高いのか、不思議で不可解な現象が続くので、かねてからワタシなりにその「解」を探し続けてきた。

かく言うワタシも大学では政治学を専攻して職業は政治家志望だったし、4年間在籍した弁論部の先輩後輩と同期の友人たちには国会議員も数多いるし、自治体の知事・議員も数多いる。ワタシ自身も政治家の選挙応援で駆け回ったこともあるし、身内にも政治家がいるし‥‥ということで、政治の世界にそれほど疎いわけではない。政治世界の嗅覚も働いているつもりだ。しかしながらAの独裁ともいえる政権がなぜこれほど長く続いているのか、日本の政治世界で一体何が起きているのかを、興味を通り越して真剣に知りたいと考えてきた。

 一つの「解」をワタシはM.ピカートに見出した。