KANZOに聴け

内村鑑三翁が生きていたら何を考え何を語るのだろう…

ウイルス‥なめたらいかんぜよ!

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故武見太郎(元日本医師会長)は亡くなる直前に出版した著書で、「次の世紀は人類とウイルスとの戦いになる」と喝破としていた。今まさにこの予想通りの事態にある。COVID-19と称されたコロナウイルスはまたたく間に地球規模に伝播し、罹患患者と死者は爆発的で何時止まるのかもわからない。見えない敵と国家ぐるみ地域ぐるみで戦っていて、リビアの内戦(トルコとサウジの代理戦争)では「戦争などしている場合じゃない」として休戦に入ったという笑えない現実もある。決定打となるワクチンなどが未開発の中でCOVIT-19ウイルスの勝利宣言は続く。国際連合EUも対症療法しか打ち出せない。無力である。将来の新たなウイルス対策としての世界政府なるものの創設が必要なのかもしれない。規模が地球規模である点において惨禍は人類史上初のものだ。

このウイルスの厄介さは見えない所で生存戦略をたてて生き延びようとするところにある。このウイルスの生存期間も17日間生きていたという報告もあり、飛沫・接触感染以外にエアロゾル感染するという論文も示されたと言う。また持病のある高齢者の致死率が高いとされたエビデンスの一方で、中年期の者の致死率が高いとする論文も出ている。これらの現象を見るに、生存をかけたCOVID-19のすさまじいまでの人類への挑戦は、我等人類にとっては、従来の医学・医療の枠をかけ離れたスケールでの想像力を働かせることを強いているように思えてならない。神が傲慢な人間たちに警告を発していると真摯にとらえるべきなのかもしれない。

 

折も折オリンピック東京大会が延期となったが、延期の理由として、IOCのバッハや日本のアベやスガやモリや豊洲の女が「ウイルスとの戦いに完全に勝ってからこれを実施する」といった発言はウイルスの戦略をナメている。無知蒙昧である。アベらが反知性主義を代表するような口吻で「日本国民を守りアスリートの健康を守り…」とか記者会見で宣うと、これをそのまま報道する内閣記者会の記者たちも愚かである。新聞TVも五輪とは一蓮托生だから仕方ないのか。

TVにテロップが流れて都知事が夜遅くに記者会見と出た。小池もアベらと打ち合わせ済みで、政府に同調してこのタイミングを待っていた。オリンピックは今年はなくなったのだしもう検査数の数、患者数を隠蔽する必要もなくなったから。東京での感染者は3月22日には2人、23日に16人、24日に16人だったものが、24日のオリンピック延期のアベの記者発表直後の25日に41人、26日に47人、その後急激な増加に転じている。この数字がオリンピック対策のためであったことは自明。偶然だったと誰が信じるものか。

さてその都知事会見だが、一体何を緊急に報告したかったのかさっぱりわからない。…でございます…でいらっしゃいますので…共に一緒になってがんばりましょう…とやたらに丁寧語を使いすぎる、クラスターとかオーバーシュートとかロックダウンとか片仮名が多い、「感染爆発重大局面」と書いたボードをいきなり出したが、タイミングも悪いし危機感緊張感も感じられないので意図がさっぱりわからない、恥ずかしげもなく「密」がどうのこうのと書いたパネルもバツのわるそうにすぐにひっこめたな、何故か…と思っているうちに短時間で終えてしまった。要点は週末の土日の外出を自粛してほしい、できるだけ在宅で仕事してほしい、夜間外出を控えて、ということを言いたかったらしい。

小池はTVのキャスターをやっていたよな、それにしては説明が下手だな。オレならば会見冒頭でまず「主文」(裁判所の如く)をまず言うだろう。「まず今週末には出かけず在宅で過ごしていただきたい。そして今日は都民の皆様にお知らせしたいことが五つあります。その一つは…」と話を進めるのだ。これ記者会見の常識だろう。小池も「盪(とろ)い」な。論旨が不明瞭だし正邪の判断がつきにくかった。もっともこれが彼女の狙いでもあったか、だとすれば理解できる。検査数の極小さ患者数などを隠蔽していたことがバレるのを恐れていてその心理的動揺がこの会見に現れたものだろうか。カイロ大学云々と学歴詐称で騒がれている”豊洲の女”などはこの程度のものだろう。次の都知事選では裏仕事を仕上げて自民党公認がとれたから、都民=愚民に対する説明など、どうでもよかったのかもしれない。

因みに「とろい」とは、素早く動かないさまを言い・理解するのが遅い知的な鋭敏さの欠如で特徴づけられると辞書(weblio)にある。類語として愚鈍 ・ 愚昧 ・ 阿房 ・ のろま ・馬鹿 ・ 頓馬 ・ 間抜け…とある。

 

「杖ついて散歩道を歩いていたら、すれちがったオヤジに「がんばってね!」と励まされた。よけいなお世話だ。オヤジはうすい紫色のベレー帽をかぶっていた。あいつ、たぶん、ほんとうは昂揚している。昨夕の小池某女みたいに。悦にいっていやがる。」とブログで辺見庸。確かに小池は妙に高揚していたな、なぜか。