KANZOに聴け

内村鑑三翁が生きていたら何を考え何を語るのだろう…

ボーッと生きて在職2700日か!

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日本国アベ首相は、”通算”で在職日数が二千七百日を越えて歴代3位の初代首相伊藤博文と並んだことについて、嬉々として「国民の皆さまから力強い支援をいただき感謝したい」と述べたとか。思弁なく思想なく漢字も十分に読めず活舌も覚束ないこの人は、手練手管を使ってただだらだらと長く居座っているだけにすぎないのに。長さが尊い価値とは誰が言ったのか。独裁者リビアカダフィは42年、イエメン・サレハは33年、チェニジア・ベンリアは23年、親子継承の長期独裁政権となれば北朝鮮がある。

「国民の皆さま」とはよく言うよ、選挙では日本人の3割の人しかアベ首相の政党を支持していないことを忘れるな! いずれにせよ、ワタシが前回記したように、国家は何があっても間違えないもの…との幻想に浸り続け、寛大なのではなくただの怠惰に身を委ねる茹であがったカエルのような我等日本人がイカサマ政治を長い間放置してきただけだ。この貧しい無為無策のボーッと生きてきただけのアベ政権を。

明治から昭和を生きた基督者にして言論世界でも影響力の大きかった内村鑑三翁は、政治家についてこう記している。

「国を治むる事は左程の難事にあらず、難事とは蓋(けだ)し我意を支配するにあり、慾を抑ふるにあり、位を軽んずるにあり、心の富を楽んで身の栄光を耻(はじ)とするにあり、英傑は政治家の中に求むべき者に非ずして反って小農小賣の間に尋ぬべき者なるは全く之が為めなり。」(内村鑑三全集8、p.70)

この引用文をワタシなりに翻案の上現代語訳してみる。つまり政治家や行政官など国の運営にあずかる人間の仕事なぞ、大して難しいことじゃない。政治家も官僚も部品のようなもので、それ自体は何者でもなく単なる部分である。国家や自治体などは全てが部品の寄せ集めで成り立っているのだから、彼らが国や自治体の全てに精通しているのではないことは自明のことだ。そこで働いて国費を懐にしている彼らは、肩を怒らせているだけで中身は権力欲と保身欲と金銭欲の塊りのようなものだ。

本当に人間にとって難しいのは自分自身の意志と我欲をコントロールすること、総理大臣官房長官〇〇大臣といった社会的組織の長などの地位に執着しないこと、心が豊かであることを楽しみ叙勲などの授賞を心から恥じること、そういった精神的な高さを保つことこそ難しいのだ。傑出して優れた人間というものは政治家のような人種におらずに、むしろ農業や商売人といった市井の人の中にいるものだ――鑑三翁はこのように言っているのだ。

鑑三翁の言は1900年頃のことだ。それから120年近くも経つのに、アベアソウスガ…といった今の政治家という人種を見ると、国家百年の計どころか手前の保身だけに走り、親の七光りによって凡庸な意識しかもてず馬鹿で強欲で傲慢不遜、権力にしがみつく快感に浸り続けひたすら陳腐な政党の泥船で酔っているだけだ。何が国民に感謝だ、勘違いも甚だしい。

鑑三翁のごく当たり前の見識にワタシも同意する。別にアベアソウスガ…といった連中が居らずとも国は動く。大であれ小であれ企業も同様、代表取締役専務取締役とかCEOが居らずとも企業を構成する社員の仕事への献身が企業を動かしている。

だからアベアソウスガ…君たちは勘違いするな。人間の労働経済活動、社会の法や制度・システムによって国というものは動いていく。君たち一握りの人間たちの余計な所作によって、煩いの火が燃えることなく/愚かな戦いを起こすことなく/せっかく増やした冨と蓄えが減らないことのために、国民(くにたみ)は”止むを得ず”選良を選んでいるのだ。「選良」であるぞ、つまり「選ばれたすぐれた人/選挙によって選び出された代議士」のことだ。アベ以下の連中が選良でないことは自明。だとすれば、君たちに代わる少しでも「選良」にふさわしい者たちを選ぶしかない。